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第5話 

 電話が繋がった瞬間、急ブレーキがかかり、加藤朗の手から携帯が地面に落ちた。

 杉原瑠美はその様子を見て、急ブレーキを理由にしてうつぶせになって電話を切った。

 彼女の慌てふためく姿を見ていると、私の死が彼女に関係しているのではないかと疑わざるを得なかった。

 今は証拠がないが、必ず痕跡が残るだろう。彼女が報いを受ける日を待っている。

 車は救助隊の地域に入ると、探検局の局長が人を連れて急いでやって来た。

 井原玖遠がまだ車から降りないうちに、局長は彼を車内で遮った。彼は目を見開いて、車内の全員の顔をじっと見つめ、その後、井原玖遠に厳しい表情で向き直った。「私の部下はどこだ?」

 井原玖遠の顔が引きつり、頭を垂れて説明した。「私たちが行った時には、すでに......」

 局長は井原玖遠の襟を掴み、「私は朝早くからあなたたち救助隊に電話をかけた。

 私たちの人の速度なら、その時点ではまだ山には入っていないはずだ。

 探検の場所が間違っていることに気づいてから、すぐにあなたたちに通報したが、あなたたちは今まで戻ってきていない。そして、もう人がいないと言うのか、救助隊はどういうつもりだ?」と怒鳴った。

 局長は50近く、リーダーとしての経験が豊富で、自然と威圧感を漂わせていた。

 井原玖遠は頭を垂れて反論することもできず、謝り続けた。「申し訳ありません、私たちは遅れてしまいました」

 局長は井原玖遠を振り払い、声を詰まらせて続けた。「私たちの高橋哲夫と岡田芽衣は探検局の中堅メンバーだ。最近の忙しさがなければ、どんなことがあっても彼らを山に入れることはできなかったのに......

 「こんな大きな間違いが起こるなんて......」

 井原玖遠は局長をじっと見つめ、狼狽しながら車から飛び降り、局長の手を掴んで震える声で「高橋哲夫と誰が一緒だと言ったのか?」と問いただした。

 局長は井原玖遠をじっと見つめ、急に頭を叩いて思い出した。「ああ、君は岡田芽衣の夫だったのね

 救助隊の一員なら、なぜ岡田芽衣を第一に助けに行かなかったんだ。彼女から電話はなかったのか?」

 局長は首を横に振り、話し続けた。「あり得ない。岡田芽衣は君を最も信頼しているんだ。救助隊に害虫がいるに違いない。

 安心しろ。高橋哲夫と岡田芽衣の上司として、この件は徹底的に調査し、
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